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日本三大美林「木曽ひのきを見守り続ける地域」と伊勢神宮の話

14 時間前
読了時間: 4分

長野県木曽地域は良質なひのきが育つことから、その木材は全国各地から仏像や建築材などに用いられてきました。その中でも約1300年前から今日まで深い交流をし続けている伊勢神宮と木曽の関係についてお伝えさせていただきます。

具体的には、20年に一度行われる式年遷宮(しきねんせんぐう)に関わる交流のなかから、木曽地域で行われる御神木(ごしんぼく)の3つのお祭りと、その特徴をご紹介します。なお、伊勢神宮の正式名称は神宮(じんぐう)です。以後、神宮と表記いたします。


※今回の記事は、長野県木曽郡上松町(うえまつまち)観光協会様にご助言をいただき、各種資料を参考にして作成しました。私の力不足により、一部不正確な表現があるかもしれませんが、どうぞご了承ください。


●神宮の式年遷宮(しきねんせんぐう)とは?

「式年」とは、定められた年のことを、「遷宮」とは宮を遷すことを意味します。20年(式年)に一度行われる我が国最大のお祭りです。

式年遷宮の制度は飛鳥時代、第40代天武天皇(てんむてんのう)のご宿願により始まり、次の持統天皇4年(690年)に第1回が行われました。以後、一時中断はありましたが1300年にわたり繰り返し行われている神事であり、令和8年の現在は第63回を迎えています。

神宮には内宮と外宮それぞれ同じ広さの敷地がありますが、社殿や御装束(おんしょうぞく)・神宝(しんぽう)など、すべてを新しくして、大御神(おおみかみ)に新宮(にいみや)へお遷りいただく神事であります。

大御神(おおみかみ)とは、神様を敬って呼ぶときの尊称で、特に尊い神様に用いられます。内宮には天照大御神(あまてらすおおみかみ)が、外宮には豊受大御神(とようけのおおみかみ)がおまつりされております。


●式年遷宮で使用される御用材(ごようざい)

御用材(ごようざい)とは、公務や特別な建造物のために使用される木材などの材料のことをいいます。式年遷宮では良質な国産の「ひのき(檜)」が約1万~1.2万本必要とされ、全国各地から運ばれてきます。その中でも、御神体を納める器などの中心となる部分は、木曽地域や岐阜地域など一部に限られております。


●木曽郡上松町で行われる3つの伐採式

式年遷宮における御神木や御用材に関する神事・お祭りがいくつかありますが、ここでは長野県木曽郡上松町で行われる3つの伐採式についてご紹介させていただきます。

 

①御杣始祭(みそまはじめさい)→木曽郡上松町の御杣山(みそまやま※用材を伐り出す山)で正式に伐り始める最初の神事(斧入式)です。このひのきは、御神体を直接納める円筒形の器「御樋代(みひしろ)」の用材になります。なお、この伐採には「三ツ紐伐り(みつひもぎり)」という伝統技法が用いられます。また、御神木のひのきは2本、1本目は内宮に、2本目は外宮に使用されます。

 

②御船代木伐採式(みふなしろぎばっさいしき)→まず、神宮では「御船代祭(みふなしろさい)」が行われます。前述しました「御樋代(みひしろ)」をお納めする船の形をした器を「御船代(みふなしろ)」といいますが、この御用材を伐採するにあたり、山の神に祈りをささげる神事です。ここでは、御用材となるひのきが木曽郡上松町で伐採されるのに合わせて作業の安全を祈願しています。→同日、木曽郡上松町では「御船代木伐採式」が行われます。このひのきの伐採も「三ツ紐伐り(みつひもぎり)」が用いられます。

なお、「御船代」がなぜ船の形をしているのか?それに関わる一説をご紹介します。それは日本が今後、万が一水害に遭い、水没しそうになったとき、御船代が水に浮かび御樋代を守る船となって高天原(たかまがはら)に御神体をお運びするためだといわれています。

 

③仮御樋代木伐採式(かりみひしろぎばっさいしき)→式年遷宮は、今までの宮から新しい宮に遷すことと前述しましたが、その遷御(せんぎょ※新しい御殿に御神体をお移しすること)の際に、一時的に御神体をお納めする「仮御樋代(かりみひしろ)」が必要になります。この用材を伐採する神事が、仮御樋代木伐採式です。こちらも上松町で行われます。


●伝統技法の「三ツ紐伐り(みつひもぎり)」の作法と伐採を行う杣人(そまびと)

「三ツ紐伐り(みつひもぎり)」は、「三ツ緒伐り(みつおぎり)」とも呼ばれます。その方法は、杣人(そまびと)と呼ばれる木こり三人が、三方向から同時に斧(ヨキ)を入れ、木を狙った方向へ正確に倒す伝統的な伐倒技法です。まずは、木の中心部を空洞にし、外側を3点のみ残します。この時点ではまだ樹木は起立しています。倒す位置を確認し、最後に3点のうち1点に斧(ヨキ)を入れることにより、狙った場所に伐倒されます。


●さいごに

上記3つのお祭り以外にも、さまざまな神事があるそうです。現在はチェーンソーでの伐採、伐倒が主流で、斧(ヨキ)を使うことがほとんどありません。それだけに、杣人(そまびと)の育成が課題となっているそうです。木曽地域の人たちは、伝統と森林の恩恵を大切にしてきました。これからも、森林を見守り続けていただくことを心から応援したいと思います。


記:日本樹木リサイクル協会理事 大村相哲

  (大村商事株式会社 代表取締役 大村相哲)

取材協力:長野県木曽郡 一般社団法人 上松町観光協会様


参考HP


他

 
 
 

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